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交換物語:PAGE9

大吾は屋上へ続く東側階段を駆け上がる。屋上に見えた人影は、コの字型に造られたこの校舎の西側に見えたので反対側に位置する。

グレーの鉄扉のノブを回す。鉄の硬い音が響き扉は動かない。

「えっ!開かない!!」

遅れてタマゴンが階段を駆け上がってくる。

「どけえええ!!大吾おお!!!」

勢い良く駆け上がりジャンプする。くるりと反転し、後ろ足で扉を蹴り上げる。

ドゴオオッ!!

分厚く硬い扉は中心を大きくへこませ、外へと吹っ飛んだ。
「戻れ」 タマゴンが静かに口を開く。

突然の爆音に、教室にいた教師や生徒達は何事かと一斉に廊下に出た。・・・何事も無かったかのように扉は元に戻り、辺りを見回す生徒達のざわめきだけが響いていた。

屋上を見回す大吾。「あれ?誰もいないよ・・・?」

「おい、大吾。5m以上離れるなよ、やられるぞ」

「や、やられるって・・・タマゴン一体何悪い事したんだよ!?」

「なんにもしとらんわい、・・・ただ、あのクソ馬生意気やったから・・・・宣戦布告したった!」

「せ、せんせい・・うんこくう・・・・・??」

「喰わんわ!!アホか!」

「・・・でも、犬って食べるじゃん?」

「・・・・・・今はそんな話いらんのじゃっっ!!」

人間界の犬は何物だと心で呟いた、タマゴンであった。

「宣戦布告や!ワシ等は人間を守る・・・変わりに能力者共を皆殺しにする!いうたったんじゃ!」

「えー・・・な、何も殺さなくても・・・話し合いでわかってくれれば・・・」

「アホか、覚悟決めろ!」

「こ・・・・・殺す・・・なんて・・・」

「守るんやろ!お前の大切な人間を!!なら殺す気で挑め、あの野郎共は殺す気やぞ!!!!」

バコオオオオン!!!!!大吾達の出て来た入り口横の壁に、飛んで来た拳程の石があたり壁をえぐり弾ける。
大吾が後5㌢右に動いていれば、大吾の顔は不出来なミートボールみたいになっていただろう。

前方に気配を感じ振り返る二人。そこにはこちらに向かって歩いてくる男と黒い馬の姿があった。

「ん~~~・・おしい!もうちょっと左だったかね・・・」

肩を回しながら歩いてくる男。

「ノーコンか、テメ~はよ!!」

イライラしながら叫んでいる黒い馬。

男の名は、牛尾 禪五郎(うしお ぜんごろう) 37歳独身
オールバックに無精髭、スーツ姿だがネクタイは無くシャツのボタンを上から3つまであけ、どこかだらしない感じのする男。
そんな男に終始イライラしている全身真っ黒の馬、モックロック。風が吹けば黒く艶のあるたてがみがなびく。

「気いつけや、大吾・・・こいつの能力の正体はまだわからん・・・」

相手との距離は約10m程、身構える大吾とタマゴン。

男が1歩足を出した次の瞬間、大吾の目の前に現れ、首を掴まれ持ち上げられた。

「ぐうううううううっっ!!!」

小学5年男子、体重35kgを持ち上げる馬鹿力・・・

「何しとんじゃ我っ!!」
タマゴンが攻撃態勢に入る。

「おおっと動きなさんなって。お話しようってだけじゃねか」

攻撃態勢のまま身構えるタマゴン。

「人間殺す為に頂いたこの力を、仲間殺す為に使っちゃうって?考え直した方がよかないかい?」

「う・・・ぐううう・・・・」

「まあなんだ、俺もまだ1人も殺してないがよ・・・ははは・・・オメーさんが1人目になるかもな・・・」

禪五郎の右手に力が入る。大吾の顔が見る見る真っ赤に染まって行く。意識が段々となくなっていくのが分かる。

「・・・そんでその次がこの学校の子供たちになるだろう、そんでから・・・」

顔を真っ赤に染めた大吾の目が、カッと見開かれる。それと同時に右足が後ろに大きく仰け反り、勢い良く禪五郎の腹にスイングした。

「ぐっへえええっ」

掴まれていた手が離れ地面に尻餅をつく。

「ごほっごほっごほっ・・・げほっ・・・ごほっ・・ごほっ・・・・・」

「どもないか大吾・・・!?ようやった!」

「ごほっ・・・ごっ・・な、なんとか・・・・」

「あいたたたた・・・元気な子供だな~、でもそいつの力貰ってもその程度は可哀想だね~」
禪五郎は腹をさすりながら笑っていう。

「どういう意味・・・?」男の方を向きながらタマゴンに聞く。

「・・・いや、ワシもわからん」

「まあよう・・・なんだ、仲間同士殺し合いしてもしょうがねえわけだし、ここはいっちょ山分けといかねえかい??」

「・・・・・・・」大吾とタマゴンは何をいってるのか分からず無言でやり過ごす。

「この小学校の人間1クラス・・・・・」空を見上げ何やら一人ブツブツいいながら考えだす。

「大体だな、全校900人くらいだとしてだな、3分の1はオメーさんにやるよ。そんだけあれば1ランクくらいあがるだろ??」

「・・・・・さっきから何をわけ分からん事いうとんねん!!!」
たまらずタマゴンが口を開く。

「ん・・・?わけわからんて・・・俺たちは、人間殺した数だけ能力値が上がるだろ?・・・・あれ??そうだよね、モッ君~?」

「モッ君いうんじゃね~よ!!馬鹿が!」禪五郎は頭をかきながらぺこっと頭をさげる。黒馬モックロックが男の横に並び出る。大五郎の前に禪五郎、タマゴンの前にモックロックが立ちはだかる格好になった。

モックロックが甲高い声で笑う。
「ひぃっひひひひひっ!どうりでさっきからおかしな事ばかりぬかしてやがると思ったぜ、狗よお!久しぶりに会ったもんだからボケかましてんのかと思って蹴りあげてツッコンでやったのに、まさかマジに記憶がボケてやがるとはな!」

「・・・し、知り合いなの・・・ごほっ・・」

「知り合いに馬はおらんわ」

「オイオイ、哀しいね・・・俺たち人間共殺す為に使わされた神獣・神の使い十二支、仲間じゃねえか」

「神の使いでワシが誰で何しに来たかもわかっとるが・・・・・十二匹もおるんかい・・・ちっ・・・所々記憶が抜けとるようやの・・・」

「都合のいい脳みそしてやがるなあ狗!ひぃひひひひ!」

「気色悪い笑い方しよって、育ちの悪さがようでとるな」

「生まれも育ちもいっしょだろが・・・馬鹿が」

「残念やが、ワシの記憶はもう変わっとる!何回も言うといたるは、ワシは人間を守る!お前らは皆殺しにしたるわ!」

「ひぃひひひひひひっ!吠えろ!吠えろ!!!それが狗の仕事だからなあっ!俺はかまわねーぜ殺し合い!!!昔から気にくわなかったからなあテメーは!!」
(それに敵となりゃ、テメーの能力は厄介だからなあ・・・・)

モックロックは鋭い目つきで禪五郎を睨む。次の瞬間座っていた大吾の顔に禪五郎の膝が入る。
激しい音と共に後ろに仰け反る。

「大吾っ!!」

「人の心配してんなよっ!」

空高くあげられた前足が、タマゴンの頭を踏みつけ地面に叩き付けられた。

それまで水色一色だった空がどんよりとした雲に包まれた。
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コメント

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No title

 こんにちは
 タマゴン、人間の味方になってくれたんですね。でも、なにかすごく不利な立場にいるみたい・・・・・
 このままやられちゃいませんよね。続き楽しみにしています。

 

Re: No title

こんにちは
かなり不利な状況になってしまいました・・・。どうしましょう・・・。
勝てるのでしょうか?

乞うご期待♪
おら、ピンチなんだ・・・
みんな、おらにポイントをわけてくれ!!! アヒルちゃんのバナーをクリックすると このブログのランキングがあがるんだ!! ナッパッ避けろおおおお!!!

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