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交換物語:PAGE3

交換物語:PAGE3



「・・・ん!!・・・・ちゃん!!
にいちゃん!!めーさましいやっ!!!」



大吾は跳ね起きた。うさんくさい関西弁が
直接頭の中で響きわたったからだ。それも、
特大の大音量で。


「あれ!?僕の部屋だ・・・」


一階のキッチンで気絶したはずの大吾はなぜか
二階の自分の部屋にいた。しかも、どうやらベッドで
しっかりと布団をかぶって眠っていたらしい。
さっき飛び上がったときに、その布団は
床にはねのけてしまったが。


「やっと気づいたか・・・それにしても、じぶん、
びびりすぎやで!!」


びくり!!という音が聞こえそうなほど、大吾はその
声に驚いた。さっき頭の中で聞こえたのと同じ声が、
今度は耳から聞こえたからだ。その声は少しくぐもって
聞こえた。まるで、布団の中から話しているような・・・


恐る恐る布団の方をみてみると、大吾の予想は的中した。
布団の中で何か小さなものが動いていたからだ。それは
徐々に布団の端まで進み、そしてとうとう顔を出した。







「・・・・・・・・いぬ!?・・・・・・・」







布団の端からは、真っ白なかわいい子犬が顔をのぞかせて
いた。しかし、心の中で何かが引っかかった。
大吾はこの犬をよく見る気がしたのだ。垂れ下がった耳と、
平べったい顔、意思の強そうな瞳にフサフサの毛・・・。



「なんや・・・まーーーた、そのリアクションかいな。
『・・・いぬ!?・・・』って・・・。ちゅーーーーっと
はんぱやなぁーーーーーーー。毎回そうや。だ・か・ら、
ドラゴンがええって言うてんのに!!」


大吾は迷わずに自分の頬をつねった。この状況は確実に夢でしか
ありえないと思ったからだ。しかし、頬はものすごく痛かった。
力いっぱいつねってしまったぶんものすごく痛かった。


「ああ・・ああ・・。それも皆やりよんねん。
夢とちゃいまっせ!!これは現実、リアルやで。
キッチン壊して直したのも、にいちゃん二階に
運んだのも、わし・・・」


「あっ!!!!狛犬だ!!!」



今度は大吾の大声に「犬」が驚かされた。
そう、この犬の顔は毎朝見ていたのだ。
通学路の途中にある神社の前で・・・。


「耳いた・・・犬の聴覚はデリケートなんやで。
じぶんがこまいぬ知っとることくらい知っとるわ!!
さっき頭ん中のぞかせてもらったからな。
ゆーても、おふざけはこのくらいにせんとあかんな。
ほな、本題に入らせてもらうわ・・・」


大吾は思い出していた。卵の中の目と視線が合ったときに、
何かが心の中に入ってきた感じがしたのだが、そのときに
頭の中をのぞかれたにちがいない。きっと、お母さんやお父さん
にも言えない秘密や、密かに思いをよせているあの娘のことも
ばれてしまったんだ・・・。

そんな大吾の思いなぞおかまいなしに
犬は布団から体を出すと、急に身なりをととのえ始めた。
そして、ぴしっと背筋を伸ばして大吾と向かい合うと、
さっきまでとはうってかわって、まじめな「顔」で
はなしかけてきた。


「皆川大吾様。おめでとうございます。あなたは見事、
当りの卵を引き当てられました。賞品として、
わたくし狛犬が神に代わり、なんなりとあなた様の
手助けをさせていただきます」


「か・・・神様はいないって・・・テレビで科学者の
ひとがいってたけど・・・」


「いいえ、いらっしゃいます。人間程度の頭で世界を理解した
気になるのは、傲慢というもの・・・今後はそのような発言は
控えられたほうが賢明かと・・・あーーーっ!!
けったくそわる!!いわなあかんことは言ったで!!
そーいうこっちゃ。あっ、あと
名前つけて。わしの名前。そういうきまりやから」


「あの・・・名前の前に・・聞きたいことがいっぱい・・」



「えーーーから!!はよう!!!」



「・・・・た、卵から産まれたから・・・・」



「卵から産まれたから!?」



そのとき、大吾は自分の部屋に近づいてくる足音に気がついた。
それはすでにドアの前までせまっていた。とっさに、この奇妙な
犬を隠そうとするが、それよりも先にドアが開いてしまった。


「どうしたのだいご?おやつも食べずに寝ちゃうなんて・・・
まあ!!!」


母親は、お盆にのせたジュースと卵かけご飯を落として
しまった。そして、息子の部屋にあらわれた小さなお客様
を穴が開くほど凝視している。


「こここ、これはね・・・あの・・・・・その・・・
タマゴンです」


「タマゴン!!!!?」



母親と、さっき名づけられたばかりのタマゴンの大声が部屋中に
響く。もうどうにでもなれ。大吾はこのとんでもない状況をむしろ
楽しみはじめていた。だが、どさり、という音が聞こえたたので
そちらをみると・・・



「お母さん!!!」









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Author:team gravy
イラストレーター・kuroichiと作家・umibonzeのコラボブログです。


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只今、共同小説交換物語『tamagon』連載中





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