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よくあるはなし =Usual Stories= file02

西暦20XX年4月30日。

日本国首相、大泉純太郎は人類の運命を一身に
背負っていた。


日をさかのぼること、ほぼ一ヶ月前、大泉首相は誘拐
された。この事実を知っているのは、誘拐された本人のみ
であった。というのも、宇宙人に誘拐されたからである。
そして、ある重要な任務を言い渡された。彼らが言うには、
その任務をまっとうできなければ、人類を滅ぼすとのことであった。


鷹派で通っている大泉首相は当然ながら、各界からの風当たりも
強かった。マスコミなどもスキャンダルのネタはないかと躍起になって
探していたくらいであった。また、先日打ち出した「憲法9条改正案」
の影響でさらに風当たりは風速をましていた。

そんな中で「宇宙人に誘拐されました」などとは絶対に言えなかった。
政治家は発言が命である。

大泉首相は苦悩していた。それは任務の内容が今でも信じられないからで
あった。

「4月30日12時30分に新宿アルタ前でこれを踊れ」

宇宙人が渡してきたDVDにはご丁寧にもCG合成(?)でつくられた
大泉首相本人が出演していた。そして、ナチスの制服っぽい
ボンデージファッションで腰をくねくねと動かしながら
ストリップをしていたのである・・・・・。

そして極めつけは、ラストであった。

「弱者はみんな死ね!!強くて美しいものだけ生きろ!!ファッ○ユー」

そう言いながら、画面のなかの大泉首相のモノはギンギンに
勃起していた。


これはまずい。ほんとうにまずい。自分の政治家としての人生だけでなく、
社会人としての人生も危うい。しかし・・・。


大泉首相は物心ついたころから、いつか自分は世界を救う人間になると
固く信じて生きてきた。育った家庭が祖父の代から続く政治家の家系であった
のも影響していたのであろうが、とにかく彼は正義感と使命感の権化のような
人格の持ち主であった。

そのため、政界に入ってからもとにかくクリーンな政治を貫き通し、
「変わり者」といわれる程の徹底ぶりは有名であった。「憲法9条改正案」に
したところで、日本が独自の軍隊を持ち、アメリカからの真の意味での
独立を果たすための布石であった。


それが・・・・。


大泉首相を乗せた車は靖国通りの厚生年金会館を通り過ぎた。
もうすぐアルタ前であったが大泉首相はかつてない程に苦しんで
いた。煩悶のあまり、頭にかぶったナチスの制帽は振るえ、ピチピチの
ボンデージファッションは軋みをあげていた。


そして、ついにアルタ前。


大泉首相は最後に深く息を吸い込むと、バイアグラをレッドブルで
飲み込み、車のドアを開いた・・・。


翌日の新聞の一面はもちろん「首相、白昼のご乱心」
「笑っていいとも、笑が凍りつく」「首相、世紀の大カミングアウト」
彼はみごとに「任務」を果たしたのだった。


一方、アメリカ合衆国の中枢で・・・。


「4月1日にわざわざ誘拐したのになー・・・。日本人って
やっぱ、ユーモアに欠けるよね。まあ、憲法改正とかふざけたこと
言ってたから、ちょうどよかったか」


そう言うと、合衆国大統領、ジョンジー・バッシュは好物のチュロスを
ほおばったのだった。
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テーマ : 掌編
ジャンル : 小説・文学

OZ-オズ 初診:ノッポ:カルテ1

OZ


ビョーキじゃないやつなんて、病気だ!!

-便所の落書きより







初診:ノッポ:カルテ1 



才能は神からの贈り物だという。中身の選べない贈り物だ。
そして、たいていの場合、返品も不可だ。

したがって、決して望まぬものを贈られたとき、それは才能ではなく
カルマである・・・。



ノッポは、いわゆるニートだ。小学1年生のとき、身長が170cmあった。
そのうえ、カカシのように痩せていて、ネクラだったので、「ノッポ」とよばれて、
酷いいじめにあった。だから、小学校に通ったのは、はじめの2カ月だけだ。
それいらい、23歳になる今まで、ほぼ引きこもりの生活を続けている。

もちろん本名もあるが、もう、よくおぼえていない。
12才のときに両親を失ってから、父親の建てた小さな家と
わずかばかりの生命保険のおかげで生きてきた。

だが、その生命保険も今月で残高が5万円をきった。



「うまい棒・・あと4761本でおわり」そういうと、ノッポは冷蔵庫を
開いた。冷蔵庫の中には、うまい棒めんたいこ味が、びっしりと隙間無く
つめ込まれていた。その中から20本以上を掴み出すと、薄暗いキッチンで
ひたすらに食べ続けた。1人で暮らすようになってから、彼の主食は
うまい棒めんたいこ味だ。1日100本ちかくを食べ、それと常温の水道水以外
は一切口にしない。こんな食生活を10年以上も続けてきて、病気のひとつもない
のだから、彼はあきらかに特異体質だった。医者にいけば、まちがいなく
実験動物にされていたが、虫歯すらない状態ではそんな心配はまったくなかった。


うまい棒を食べ終えると、ノッポは2階の自室へと階段を上った。
その動きは、陸におちたナマケモノが這うように、だらりと脱力して
生気がなかった。部屋へ行く途中のろうかには家の前の通りに面した窓
が2つあったが、両方ともがダンボールや新聞紙で隙間なくふさがれていた。
この家の窓という窓はすべてふさがれていた。そのふさぎかたは、
いまが昼なのか、夜なのかすらもわからない程に徹底されていた。
ノッポは光が嫌いだった。


ノッポは緩慢なうごきで自室のドアを開けた。
するとそこには、異様としか言いようのない空間があった。
部屋じたいは平凡な6畳間だったのだが、まず目をひくのは、
そこかしこに置かれた人体模型や、壁にところせましと
貼られた医学用の図表だった。図表には人体の神経の分布や
血管の分布、内臓の位置と機能などがカラーで描かれていた。


また、机と床をみれば様々な専門書がうず高く積み上げられていた。
彼はそのうちの3冊を床から拾い上げると机に座り込み、極端な
猫背で読みはじめた。『法務省:犯罪白書』『テロリストのレシピ』
『2011年版:犯罪捜査の実情と限界』。テロリストのレシピには、
ご家庭でも簡単に作れる爆弾の作り方が満載されていた・・・。


ノッポはそれらを、まるで何かに憑かれたかのように猛然と読み
こなしていった。そして1時間もしないうちに読み終えると机を
たち、部屋の片隅にあるタンスの前で着替えはじめた。


「また・・きた。もう・・・がまんできない。でも・・ヤルなら
できるだけ悪いやつ・・・神様・・・・ごめんなさい」


着替え終わったノッポは上下ともに量販店で売られている安い
灰色の作業着姿だった。更に、タンスのかたわらに置いてあったリュック
に厚手の雨合羽と、目だし帽、作業用ゴーグルとマスクを詰め込んだ。


最後に清掃用のゴム手袋をポケットに突っ込むと、彼は再び
キッチンへ向かった。その動きは、さきほどまでのものとはまるで
別人のようだった。背筋は芯を通したように伸び、足取りは軽く、まったく
音をたてなかった。それは、あらゆる武道の達人に共通する動きだったが、
もちろん彼にその自覚はなかった。


キッチンに移動すると、彼はシンクの下の戸棚を開いた。
そこには、様々な種類の農薬や洗剤、油脂類がはいったビンと、
釘やパチンコ玉、頑丈な缶などが整然と並んでいた。それらの
「材料」を「レシピ」どおりに料理すると、ジップロックで2重に包み、
それもリュックに詰めた。


「こんなことするの・・・・ぜったいだめ・・・・
でも・・・・・どうしてもがまんできない・・・・神様
・・・勇気をください・・・・勇気をください、勇気をください
勇気を・・・・」


ノッポはつぶやき続けながら、玄関へと向かった。
そして最後に、決して抗えない何かに抵抗するかのように、
もう1度ふりむき、戻ろうとしたが・・・。


「うおーーーーーーーーーー!!!」


ノッポは泣いていた。だが、泣きながらも体は玄関のドアに
向き直り、そして彼はとびらを開けた。


彼の目にすでに涙はなく、そこにはどこまでも続く深い闇が
広がりはじめていた。





















テーマ : 短章
ジャンル : 小説・文学

よくあるはなし =Usual Stories= file01

-極秘-:ランクD


以下の文書は3011年3月13日、住民番号P-■■■■-■■■■-■によって作成された
ものである。注:以下、住民αと呼称。

当該文書の治安に与える影響は、その内容が民間伝承童話を扱っていること、
さらに過度に空想的部分を含むことにより、軽微であると考えられる。

しかし、一部に検閲対象用語ランクAが発見されたこと、また住民αの職務上、
複数の街区において、広範囲にわたって出版、販売される可能性が濃厚であった
ことから即日中に処理が実行された。

当該文書の原本及び住民α、更に住民αと接触することにより、当該文書の内容
を知りえたと思われる住民は既に物理、情報両面において抹消済みである。


尚、文書中■の秘匿箇所を閲覧する場合には、秘匿情報閲覧権限A以上を有するか
もしくは秘匿情報閲覧権限A以上を有する者の承認を要する。


ゴダート暦3011年3月21日

国家連合情報統治局
治安部

部員番号I-043




「民話の細道:第19回」


そろそろ冬の寒さも一段落して、風の匂いに春を感じる今日この頃ですが、
読者の皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
さて、隔月でおおくりしている、「民話の細道」ですが、今回は趣向を変えて、
「掘り出し物」をお届けしようと思います。

皆さんは「うらしまたろう」をご存知でしょうか?まさか、あの「助けた亀につれられて~♪」
の、うらしまたろうなんかを掘り出し物と言うつもりか!?とお考えの皆さん・・・・


そうなんです。ごめんなさい!!実は、原稿が間に合わなくて・・・。


なわけないでしょ!!実は先日■■■■■■■■で他の資料を探しているときに、
ちょっと面白いものを見つけてしまったんです。■■■■■■■■は、よく資料
探しに使っているのですが、そのときも僕はあの■■■■■■■■■■■■■■■を
歩き回っていました。


資料探しに夢中になっているうち、周りが目に入らなくなって
いたのでしょうね。僕は人とすれ違いざまにぶつかってしまったのです。
その人はそのまま歩き去ってしまったのですが、ぶつかったときに落として
しまったのでしょう、床には一冊のボロボロの本が落ちていました。本といっても、
古い紙を綴じただけの、表紙もないものでしたが。


僕は慌ててその人を追いましたが・・・既にどこにも見当たりませんでした。
よくあるはなしでしょ(笑)


で、もちろんその本の中身を見てみたのです(笑)相当古いものらしく、中身は
古文書でした。いつの時代に書かれたものかと調べてみたのですが、■■■■年
という見たこともない年号が記されていただけです。


■■■■■■■■の■■の方に■■■■■ですが、■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■とのことだったので、仕方なくというか、
まんまと、というか、僕はその本を持ち帰って良く読んでみたのです。


ここでやっと、うらしまたろうが関係してくるするわけですが、その本の内容
というのが、不思議なんです。内容は子供向けの物語のようなのですが、物語の主人公
は、うらしまたろうの住んでいた村の隣の村の吾作という男です。吾作の村に迷い込んで
きたうらしまたろうから吾作が竜宮城のはなしを聞いて・・・という物語なのですが・・・。


これを物語と言ってしまっていいものなのか・・・。先ほどの年代もそう
なんですが、あまりにもディテールが書き込まれているし、子供向けに書かれた
物語というよりは、事実の報告に近い文書なんです。


まあ、わかりやすいように、細かい部分ははしょって、
昔話風に現代語訳しましたので(笑)


楽しんでいただければ幸いです。



「吾作どんのはなし」



むかーし、むかし、あるところに吾作というそれはそれは働き者で心のやさしい
男が住んでおった。吾作は村一番の正直者で、困ったものがおれば誰でも、どんなときでも
助けてやっておった。じゃが、吾作はもうじき三十路になろうというのに嫁もおらず、隣に住む
茂吉の畑と牛小屋を間借りしてくらしておった。というのも・・・。


10年前に村を飢饉がおそったとき、吾作は村のみんなにおまんまを食わせるために、
死んだ親からうけついだ小さな家屋敷も田畑も売り払って、近くの村から米をゆずってもらった
のじゃった。そのおかげで村人はなんとかその年をこすことができた。


じゃが、はじめのうちは吾作に感謝していた村人たちも、じぶんの畑も持たず、
ひとさまの畑と牛小屋を間借りしてくらす吾作をだんだんとさげすむように
なっていったのじゃった。


村の子供からも「正直の上に馬鹿がつく!!まじめの上にクソがつく~」とばかにされて、
それでも吾作は毎日毎日、笑顔ではたらいておった。そんな吾作に嫁をやろうなどという
ものはどこにもおらず、吾作は毎日、薄暗い牛小屋の隅に一人で寝転がって夜を過ごすの
じゃった。


そんなある晩のこと、吾作がいつものように茂吉の嫁からもらった小さな握り飯を食べ
ようとしていると、牛小屋の方に近づいてくるかすかな足音が聞こえてきた。
吾作が起き上がってそちらの方をみると、月明かりの中をこちらに向かって歩いてくる
人影が見えた。


だんだんと近づいてくるその人をよ~くみると、やせ細った体でよろよろと歩く、ふんどし一丁
のみたこともないじいさまじゃった。じいさまはふらふらと、いまにも倒れそうな歩き方を
しておった。


「おーい!!だいじょうぶか~!!!」


そう言うと、吾作はたまらずに走りだしておった。






吾作はすぐにじいさまを自分の寝床にまで運び、横にしてやった。牛小屋におかせてもらって
いる水瓶からひしゃくで水をすくってやると、じいさまはまるで何日も水を飲んでいなかった
かのように、喉をならしてごくごくとうまそうに飲んだ。


「これも食うか?」


そう言うと吾作は、さっきまで自分が食べようとしていた握り飯を迷うことなく
じいさまにさしだした。それは、吾作が一日中働いて、やっともらうことができる
一回きりの飯じゃった。


じいさまは吾作の手から奪うようにして握り飯をひっつかむと、ひといきで
飲み込むようにして食ってしまった。吾作が満足げな顔でその様子をみつめておると


「・・・ありがとう」


じいさまは一言だけいうと泣き出してしもうた。





久しぶりの飯と地面ではない寝床に座って、じいさまは少し気力がもどたのか、
自分の身の上話を問わず語りではじめてしまった。
うらしまたろう、というのがそのじいさまの名前じゃった。
隣村で漁師をしていたというが、はて、吾作はこんなじいさまは、みたことも
聞いたこともなかった。名字をもっているなら、もとはお武家様なのかもしれない。
じゃが、それにつづくじいさまのはなしはどえらいものじゃった。


「お・・・乙姫様っちゅうーのは・・・そげに・・」


「そりゃー、おまえ・・・わしゃ毎日、朝から晩まで腰が抜けるほど・・・のう」


「そ・・・その・・・もうちいーと、具体的に・・・はあ、はあ」


「やわこくてほそい、何万本ものいそぎんちゃくがな・・・・」




うらしまたろうが亀を助けていったという竜宮城のはなしは、まだおなごをしらぬ
吾作がきいてもおもわず果ててしまいそうになるほどのものじゃった。おまけに・・・



「毎日毎日、極上のウナギとスッポンと鯉を食うのじゃ・・・」


「そんな・・・鯛や平目はさぞ怖がったろうに・・・」


「みな、川魚はむしろ減らしてほしいというとったが・・・」


「まるで極楽だ!!・・・・おらも、竜宮城にいけるだか?」


「ああ!!もちろんだども。うらしまの紹介じゃといえばええ」



夜がふけるのも忘れ、二人は話し続けた。そうこうするうち、吾作は眠り込んで
しまっておった。じゃが、朝になってきがつくと、うらしまたろうのすがたはどこにも
みあたらんかった。心配になった吾作は村の家々を尋ねてまわったが、そんなじいさま
は誰もみなかったという。また、竜宮城のはなしをききたいものだ。吾作はまたいつ
うらしまたろうが来てもいいように、毎晩、握り飯を食べるじかんを遅めにしたのじゃった。



そして・・・。



「おらも、亀さんにお願いして竜宮城に連れて行ってもらうだ」



毎朝、畑仕事をはじめるまえに近所の浜に行くことが吾作の日課になったのじゃった。
じゃが、毎日毎日、浜に通う吾作をみて、村人たちは不審におもうようになった。
とうとう、茂吉がその理由をきくと、亀にお願いして竜宮城とやらに連れていって
もらうのだという。吾作はたまたま村に迷い込んだ怪しげなじいさまのはなしを
うのみにしておった。だが、もんだいは他にあった・・・。


「吾作、わるいが、村をでてってくんろ」


茂吉の突然の話に、吾作はぶったまげてしもうた。茂吉がいうには、近在の村で
疫病がはやっているらしい。吾作がかってに泊めたじいさまは疫病で村から追い出された
にちがいないという。だから、そばで寝た吾作も出て行けということじゃった。


「茂吉、おねげーだ!!おらは元気でねーか!!」


「すまん。でて行ってくんろ。たとえ病気でなくとも、
おめーみたいなきちがいがいたんじゃおらの家まで村八分にされちまう」


「茂吉・・・・。わかった。いままで本当にありがとな」



吾作は、村をでた。最後に茂吉の女房がにぎってくれた、少しおおきめの握り飯と、
竹筒に入った水だけを持たされて。吾作のいく場所は一つしかなかった。その日からずっと、
吾作は浜に座って海をながめつづけのじゃった。そして、十日目の朝・・・。


「腹が・・へったのう・・・亀さん・・・こんかったのう・・・」


吾作の目はすでに光を失いかけておった。座り込んでいた体からも
力が抜けていき、とうとう天を仰ぐようにして、吾作の体はたおれていったの
じゃった。じゃが・・・。


「おい、吾作さん!!しっかりしろ」


たおれかかっていた吾作の両肩を力強く助け起こすものがおった。
そのものはみたこともない甲冑に身をつつみ、金色の髪と青い目を
しておった。


「・・か・・亀さんでなしに・・・鬼さんが・・・きてしもうた・・」


「俺はアーサーっていうんだ。鬼じゃないぜ」


アーサーと名のった男はなにやら■■■■のよなものをとりだすと、吾作の
首に押し当て、■■のようなものを引いた。すると、細い穴から空気を勢いよく
押し出すような短い音がして、吾作の首がちくりと痛んだのじゃった。


「・・これは!?・・・なんだか急に元気がわいてきただ!!」


「■■■■■だよ。っていってもわかんねーか・・・ははは」


「■■■■■!?よくわからねけんど、ありがとう」


「まあ、元気がでるお薬ってとこだな。あと腹減ってるだろ」


アーサーはまたどこからともなく紙包みを取り出すと、吾作の手に丁寧に
にぎらせてくれた。その紙包みの中からはえもいわれぬよい香りがただよって
きておった。吾作は紙包みを勢いよくあけると、中身にむしゃぶりついた。


「う・・・うめー!!!・・・うっ・・うっ・・うっ・・
うわーん・・わんわんわん」


「お、おい!!ただの■■■■■■だぜ。そんなに感動すんなよ。
おいおい!!ゆっくり、良くかんで食えよ。泣くこたないだろ」


「■■■■■■・・・おら、この味は一生わすれね。
・・・ありがとう。ありがとう。おら、いつもいつもみんなに親切にしてもらって
・・・こんな役立たずなのに・・・うっ・・うっ・・うっ」


「みんな親切にしてくれた!?吾作さん、あんた本気で言ってるのか!?」


「んだ。おらは捨て子だ。それをあの村の夫婦が拾って育ててくれた。おらの
おとうとおっかーだ。茂吉は小さなころから頭のわるいおらに何でもおしえて
くれた。そして、おらが家や畑をなくしちまっても、面倒みてくれた・・それに」


「もういい!!もう充分だ。やっぱりあんたは本物だよ。あんたみたいな人間が、
こんな死に方するなんて、絶対にありえない。たとえ歴史の運命に逆らっても
・・・神と闘うことになっても俺はあんたをまもる・・・」


「アーサーさん・・・あんたいったい!?・・・」


まともにはたらくようになってきた吾作の頭の中は疑問でいっぱいに
なってしもうた。この鬼のような青年はいったいなにものなのか。
さっきから見慣れないものをどこからともなく出してみたり、耳慣れない
ことばをはなしてみたり。それに、名のってもいない自分の名前をどうして
しっておるのか。


「おれは■■■■■■■■■■の人間だ」


「■■■■■■■■■■!?なんだ、そら」


「遠いとおい未来のはなしだが・・・あまりに神様が怠け者なんで、
人間は自分達の力でみずからを救うことにしたのさ」


「・・・・・・」


「■■■■■■■■■■は、あんたみたいな本物の高潔な心をもちながら、
不幸な死を迎えてしまった人々を時空を超えて救っている」


「・・・・・・・・・・・」


「言ってることがわからないみたいだな。ま、いいーや!ははは」


「あの・・・ひとつだけ、いいだか?」



「なんでも!」


「さっきの■■■■■■・・あれ、もう一つもらえねかな」


アーサーは大笑いしながらもう一つ■■■■■■を吾作にわたすと、こう
いったそうな。


「吾作さんはこれから商売に大成功して、この国一番の大商人になる。だから、
きちんとした名前が必要だ。今日から吾作さんは■■吾作だ。そう名のるんだ」


「■■吾作・・・そんな!!・・おらただの百姓だのに。それに商売なんて、
おら、畑の耕し方しかしらねーだ」


「名字なんてもんはなのっちまったもん勝ちだぜ、この時代。商売についちゃ、
俺が一からおしえるよ」



以下、次回に続く。



さて、今回の民話の細道、楽しんでいただけましたでしょうか?いつもとはかなり
趣向がちがっていたので戸惑われた方も多いと思います。ですが、これは僕が拾った
本の内容のごく一部なのです。このあとには更にとんでもない展開がまっているのですが
・・・。それは次回のお楽しみということで。それではまた!!


追伸:■■吾作という名前、もしかしてあの巨大企業の■■コングロマリットと深い
関係があるかもしれません。ですが、残念ながらこの本だけでは確証にいたる情報が
足りません。

この本を落とされた方にお詫びとお願いです。貴重な資料を無断で使用して
しまったことをお許し下さい。しかし、この本の内容は世界をかえる力を
もっているかもしれません。私はジャーナリストであるまえに一人の人間として、
この情報を公開せずにはいられませんでした。この情報を公開することによって
あなたがこうむる被害はすべて責任をもって我が社が賠償いたします。

可能であればぜひ連絡を下さい。更なる情報を求めています。



テーマ : 短章
ジャンル : 小説・文学

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